チャンスは自分でもぎとれ!

2006年、スーパーボウル(アメフト最高峰の大会)でMVPをとった、
韓国人とアメリカ黒人のハーフ、
ハインズ・ウォードという選手がいます。
え?アメフトよく知らない?

彼の母は韓国人で、黒人のアメリカ軍兵士との間に
ハインズが生まれ、二人は結婚し、
アメリカに渡って生活が始まりました。
ほどなく、離婚。
しかし、ハインズの母親は韓国に帰れません。
黒人と結婚したということで、親族の縁を切られていたからです。
さらに、英語も話せず、生活力がないということで裁判に負け、
ハインズとも引き離されてしまいます。
一人、黒人の町に取り残されましたが、
母親はあきらめません。

母親は、アメリカで、機内食を作る仕事、清掃など
朝から晩まで休みなく働いて、ハインズを引き取ることを元夫に
ようやく認めさせます。
もう、ハインズは8歳になっていました。

想像してください。
英語もろくに話せない、急に現れた母親とハインズの生活。
親子とはいえ、言葉が通じません。
さらに、韓国料理、靴をぬぐ習慣。
ハインズには慣れないことだらけ。
学校では母親がアジア系であることで、差別をうけました。

ハインズは母親が韓国人であることを恥ずかしいと思い、
母親が学校に迎えに来たときに、こそこそ隠れていました。
母親は泣き出します。
「そんなに私のことが恥ずかしいのかい。
 じゃあ、お父さんのとこに帰りな」
 ・・・ママを泣かせてしまった!
その後ハインズ少年は変わりました。
もう、お母さんが韓国人だってことを隠すのはやめよう。
友達にも、どんどん家にきてもらおう。
そうだ!ママにアレをつくってもらおう。そうカルビだ!
「ハインズ!こんなうまいもの食ったことねえYO!また来ていい?」
たちまち、ハインズは人気者へと変わっていきます。
(とろけるカルビよりおいしいものなんて、そうはないですよね。)

さて、プロ選手になったものの、補欠が続いたころ、
ハインズは母親に愚痴ります。
「ママ、彼らはぼくにチャンスをくれないんだよ。。」
「チャンスがもらえない?
 何を甘ったれたことを言ってるんだ?!
 チャンスは自分でもぎとれ!私を見ろ!」
母親はボロボロになるまで働いて、自分を引き取り、
育ててくれたのです。
ハインズは次の日から黙々とトレーニングに励み、
スター選手になりました。

私はこの話、映画化してほしいと思っているんですが、
思い出すと、自分のことを反省してしまいます。
上手くいかないのを、環境のせいにしてませんか?
他人のせいにしていませんか?
他人が油断している今こそ飛躍のチャンス。

チャンスをつかめるのは自分しかいません。
そして、ご両親に感謝の気持ちも忘れずに!