「祈り」と「守り」

コロナ騒動のしばらく前に鎌倉に行った時の話です。
みなさん、鎌倉に行ったことはあるでしょうか?
美しい山、海、そして歴史あるお寺や神社。

しかし、かつては、血塗られた歴史がそこにあったのです。
源氏三代目の源実朝が切られた鶴岡八幡宮の大イチョウ
(その実朝を殺した公暁もまた近くで殺されています)
和田一族が皆殺しされた場所和田塚。
そして、鎌倉幕府滅亡の際、
北条高時の一族(一説には八百人)が自決したはらきりやぐら。
梶原景時が上総広常を討ち、太刀を洗った「太刀洗」。
暗殺、裏切り、皆殺し。
史跡めぐりをすると、ほとんど誰かが殺された場所なのです。
これだけ人が殺されていると、お寺が多い理由もわかる気がしてきます。
祈るしかなかったのです、人々は、きっと。

一方で、鎌倉は海と山に囲まれ、まことに外敵が入りにくい地形です。
鎌倉七口と言われる、七つの切通しに岩でフタをすれば、敵は入れません。
まさに、最強のディフェンス(守備)ですね。
源頼朝はここから動かず、攻撃は弟(受験生は誰かわかってますよね?)にまかせて
自分は守りを固めて動かず、しっかりと勢力を高めていったのです。

のちに当時日本最大のピンチである元寇を倒すほどの結束を見せる鎌倉武士団の強さは、
頼朝からはじまる「足固め」があったからこそではないでしょうか。

今、私たちも新型のウイルスに対して、ある意味では
祈るしかない立場にあると思いますが、
一方で、単に祈るだけではなく、
今こそ、自分の足元を固めるべきではないでしょうか。
しっかりと、くるべき日に備えて実力を蓄えておくべきではないでしょうか。
そう、地道に努力を積み重ねることこそ、
志望校、いや、将来への道を固めることになるはずです。

今や「住みたい街ランキング」上位に入る町になった
オシャレで閑静な町、鎌倉を思い出しながら、
そんなことを考えています。